2025/09/27 17:33

初めての展示会は、どれだけ数を踏んでも緊張する

そんな中、ファッションも大好きですと笑顔で話してくれていたデザイナー荻野氏の足元は、履き込まれたであろうブーツ
荒いが故に波がかったドレープが浮き出ていてやけに輝き美しく見えたことを覚えている

ファーストインプレッションで気になった一つの理由として、ブランドロゴと一緒に刻印された指紋マークはすごく印象的だった。

かっこいいものを作る人たちはそれ以外のアプローチにも拘るという流れはごく自然なことだと思うけれど、やけにシュールでクールだなと頭の片隅に残っていた。
父が石油関係の仕事をしていたそうで家族への想いを表明したいとして油で汚れた指紋マークをつけたらしい。
それに加えて手仕事にこだわるブランドとして、という決意もあるそう。

在庫は持たない 完全受注で限られた数だけを手作業で作っていますと仰っていた。
今の時代に沿った作り方だと言えば確かにそうでもあるが、
「僕たちの靴は大手さんより限られた個店に向いている」と、言っていた。
この言葉の真相はわからないままだけどこだわりの部分に付随しているんではないかと今は思う。

餅は餅屋ではないが、近所のレザーお直し屋に持ち込んで色々聞いているとアウトソールに打ち込んでいるのは鉄ではなく革か木ではないかという。
それに加えて本来打たなくても良い箇所に打っている釘があるそうで、それは魅せるための"装飾"ではないかとも言っていた。
もしそれが本当ならば、”わざわざ”見えないところに意味をもたらすパフォーマンス、これこそ拘りだろう。
数秒で仕上げることができる機械釣りとは違い、一つ打ち込むのにも一苦労だそう。

私物にはビブラムのシルクソールというものを貼ってもらった。

さすが格好良いものを知っている。
これだから職人は格好良い。
スマートな佇まいでとても気に入っている。

とりあえず弊店ではまずはコードヴァンの一型に絞り展開することにしました。
コードヴァンと言っても、正式にはコードヴァンバットと言った方が正しいのでしょうか。
PETROSOLAUMが日本の新喜皮革と開発したもの。
100%天然成分の原材料でピット槽という大きな浴槽に長い期間漬け込み作り上げた完全オリジナル革。
実際履いてみて思うのは、今までにないフィットする感覚。
甲の部分は低めに指先は膨らみを感じる。これから長い月日を重ねるとどうなりますかの問いかけに、靴底が沈み足の形に沿って沈み込んでいく現象です、と。
ゴア部分には強度に強いドイツのイエガー社製のゴムを採用。
使い込んでいくとともにだるだるになるあの苦手な感じは皆無とのこと。

その他それなりに理由はありますが、まずは店頭で履いてみてください。

私達が初めて取り扱いを始めるシューズブランド「PETROSOLAUM-ペテロオラウム-」です。