• ネットショップを開設するならBASE
  • shopping cart

2022/04/24 17:10

都会から離れた静かな地に存在する茶室。

境内に入るとそこに広がる緑豊かな森林、天然のアロマとも言えるどこか優しい澄んだ香り。
青々と茂った苔の光景。

隔離された閑静な地で不用なものから解放され、心を鎮めることに集中でき、鎮静作用、想像力をかきたたせる。



服でもアクセサリーでもない。私達は次の新しいプロダクトとしてフレグランスミストを作ろうと思い立った。

自社らしい香りって?
いろんなことを想像して、まずは架空の居場所を設定した。
季節は春。
カラッとしている環境よりも、前日は雨で少し湿った翌日の苔の光景。そこに優しい光が差し込むような設定だ。


そしたら香りは重さのないライトなものがいい。そこに最も必要なのは自社らしいオリジナリティは絶対の要。
何に属することのない複雑な香り。そしてモダンさが残るもの。を自分たちらしさと考えた。


ウッディな香りがいいなとなんとなく思っていたので、調香師の方と香りを辿っていたら、私が想像していた"ウッディな香り"は、"ハーバルな香り"だったことが判明した。
今までなんとなく勘違いしていたことが新たに発見され、正してもらい、さらに興味が湧いた。

そうとなれば"ハーバル"にカーソルを向けて、沢山の精油を匂いながらああでもないこうでもないと議論した。


3種類くらい作りたいなと思っていたけど、到底無理。。
1つ決めるのにこれほど悩み、時間を費やして、残り2つを同じ熱量で作れるなんて思えない。
半端なものを作ることほど興味はさらさらないので、すぐに諦めて1種類に絞り、その1種を納得いくまで追求した。


やっとの思いで自社の香りが出来上がり安堵する気持ちを横目に、次の課題がまだまだある。
パッケージ問題。

プラではなく瓶にこだわった。
シールのラベルは何度もサンプルを出してもらった。
見た目はもちろん、質感や色の出方など、素人ながら、いや、素人だからこそこれじゃ駄目、こんなことは出来ないのか、など細かい注文を繰り返した。
文字の位置/大きさは1ミリ単位でさえ気になるし。


こうしていろんな過程を踏み出来上がったフレグランスミストにhylēと名付けた。



hylē(ヒュレ)とはギリシャ語で質量,素材の意。

簡単に説明すると、形式をもたない材料が、形式を与えられることで初めてものとして成り立つ。と考えるとき、その素材、材料のこと。

店頭では購入前には必ず香りの説明/使い方は伝えるように心がけてはいるが、ものの名前を説明することはあえて控えている。
これという理由はないけど、野暮なことだなあと思ってしまう。
なんでも語ればいいってものでもないし、説明している自分がなんだか恥ずかしくなることってある。そんな感じ。

聞かれたらもちろん説明はするけれど、特に今まで聞かれていないし、そういやみんな読み方もわかっていないんじゃないかなって思ってきた。。
なんにしろ香りを気に入って購入してくれる方がほとんどだし、本質を気に入っていただく以上のことはない。


【hyle】
オレンジやローズマリーの爽やかな佇まい、疲れた心を解きほぐし光を与えてくれるようなオレガノやクラリセージ、ローズゼラニウムの感受性に寄り添ってくれるような柔らかさが織りなす香り。